ホトトギス 府立植物園の植物生態園(約1万5000平方メートル、植裁植物種数は1000種類)の晩秋の草花はめっきり少なくなり、ノコンギク、キブネギクやツリブネソウなどがわずかに咲いています。
 その生態園で終盤になったホトトギスの花が精一杯咲いています。ホトトギスは山裾にも、民家の庭先(庭や花壇などはタイワンホトトギスやホトトギスとの交配の品種が多いようです)にもどこでも見かけられて人々のこころをほっとさせてくれています。茎は直立するか垂れ下がり、葉は互生して葉のわきに2~3個の漏斗状の花を上向きにつけています。花のまだらの紫の斑点がホトトギスの胸にある斑点に似ているのでホトトギスという和名(杜鵑草:別名はユテンソウ)です。ユリ科で属名はTricyrtis。ギリシャ語でTri=3つ、kyrtos=突出したと言う意味から名付けられています。
 鳥の杜鵑(ホトトギス)は、初夏に日本に渡って来て、秋には南方に去るので季語も夏ですが、花の方は8月下旬から晩秋にかけて咲くので秋の季語になっています。花ことば=秘められた恋。(仲野良典)
 鳥の名のホトトギス咲く三輪の里(清瀬)