京都市議会11月定例会が12日閉会し、同日、日本共産党京都市会議員団(山中渡団長、15人)は、「声明 11月定例市会を終えて」を発表しました。以下、全文を紹介します。


1.本日、11月定例市会は、市長提案の28議案を可決し閉会しました。党議員団は、一般会計補正予算など19議案に賛成し、市立芸術大学の独立行政法人化に関する議案や、岡崎地域を特別用途地区として規制緩和する議案、東山区の小・中学校を統合する議案など9議案には反対しました。自民、民主・都みらい、公明、京都党、みんなの党・無所属の会は議案全てに賛成しました。党議員団は、市立芸大の独法化関連議案と岡崎地域の規制緩和に対し、反対討論を行い、問題点を明らかにしました。
 また、「こころの健康を守り推進する基本法(仮称)」の法制化を求める意見書、障害者総合福祉法(仮称)の早期制定を求める意見書などを全会一致で可決しました。
1.党議員団は市長選挙を前にして最後の議会となった今議会で、市長の政治姿勢を正面から質しました。工事完了から2年、11月には8回目のトラブルを起こし、試運転再開の見通しもたたない危険でムダな焼却灰溶融施設について、市長は「必要不可欠の施設。安心安全な施設として完成させる」と本格稼動にしがみついています。原発の再稼動では、市長は「国が判断することになっている」、「原発の安全性を確保するよう求めていく」と原発の安全神話に固執する姿勢が明らかになりました。また、生活保護世帯に対し、国民健康保険料の滞納分を請求していること、難病患者からも保険証の取り上げをしていること、学校経常運営費が削減されプールサイドのひび割れ、雨漏りをバケツで受けながら授業しているなど具体的な事実を示しての追及に、反論できず開き直りに終始しました。今後4年間で250億円の削減を示した、新たな行革計画である「はばたけ未来へ!京プラン実施計画」について、削減額だけを示して、福祉や教育を削減する具体的な中身を明らかにするのは、市長選挙の後であることを認めました。
 脱原発の願いにも、市民の暮らしの切実な願いにも背を向ける市長の姿勢がはっきりしました。
1.京都市は、凍結していた現業職(ごみ収集と道路河川管理業務)の採用を来春から試行的に再開するとしました。直営業務として維持すべき現業職の採用再開は当然です。党議員団は、そもそも現業職の採用凍結を決めた「改革大綱」は、職員不祥事を口実にした職員リストラに他ならないと批判し、不祥事根絶につながるものではないと指摘してきました。その後も職員不祥事が続発していることは、この指摘を裏付けるものです。不祥事根絶には、同和特別扱いをきっぱり断ち切ることこそ必要です。これに対し、京都党などは、破たんした「改革大綱」を前提として、採用再開は「改革の流れに逆行する」、「公務員の給与は高い」として、職員削減、民間委託化を求め、再凍結する条例の準備を進めていることが明らかになりました。その狙いは、職員削減ありきのいっそうのリストラ推進であり、公共サービスを後退させるもので認められません。
1.市長は12月10日、出馬表明を行い、自民、民主・都みらい、公明は、議員連盟を結成し、オール与党で支援することになりました。京都市長選挙は、新人の中村和雄弁護士と、現職市長のたたかいとなります。今議会では市民の声が広がるもとで、地下鉄烏丸御池駅など転落防止柵の設置、耐震改修助成制度を改善する動きも出ています。市政の刷新こそ、要求実現への確かな一歩になります。
 政治を変えたいとの願いが、2年前の政権交代の後も大きく広がっています。民主党政権は、民主、自民、公明の三党体制で、消費税の増税やTPPへの参加など、構造改革路線に逆戻りし、自民党もできなかった国民への痛みの押し付けを強行しようとしています。日本共産党議員団は真の政治の転換へ、全力をあげる決意です。