福島被災者村 福島第1原発事故で計画的避難区域に指定された飯舘村で有機農業を営んできた村上真平さんを招いた講演会が18日、京都市下京区で開かれました。物や人が使い捨てされることのない社会の実現を目指して活動しているNPO法人「使い捨て時代を考える会」が主催。
 聴衆260人を前に、「すべてを無にし、未来を奪う原発」と題して講演した村上氏は、1号機の炉心が露出したニュースを聞き、妻と子ども3人で避難すると決意したとのべ、「せっかくつくってきた生活が奪われて悔しい。事故後、村に入った知人から自宅の放射線量が地表で15マイクロシーベルトになっていたと聞き、もう帰れないと思っています。原発事故は日本中どこでも可能性がある。子どもたちのためにも原発をすべて止めることをやらなければならない」と訴えました。
 同会の槌田劭相談役(前京都精華大学教授)が事故後、福島市や飯舘村の農家の実態を聞き取り調査した報告を行い、「『放射能汚染や風評被害で出荷できない』『安値で買い叩きされる』などの厳しい状況にある、400万人分の農作物をつくる福島県農民を救うために、農作物買取や義援金の協力を」と訴えました。
 参加者からは、「子どもの疎開を受け入れられないか」「健康被害は出ていないか」などの質問が相次ぎました。