アメリカのキリスト教会牧師がイスラム教の聖典「コーラン」を焼却すると宣言した事件で、京滋キリスト者平和の会は14日、「9月11日を全ての犠牲者の追悼と和解の日に」とする声明を発表しました。
 事件は、フロリダ州のキリスト教会「ダブ・ワールド・アウトリサーチ・センター」の牧師がイスラム教徒を「脅威」と主張。「9・11事件」9周年の11日に「脅威に警告する」として、コーランを焼却すると発表したもの。計画は中止されましたが、同調した他の牧師がコーラン焼却を実行しました。
 声明では同事件について、自らの信仰と行為だけを正しいとして他者を排除しており、「信教の自由」を侵すものと指摘。9・11事件がイスラム教徒による犯行と確実に検証されていない上に、イスラムの教義でも虐殺を否定しているため、コーラン焼却は脅威の排除にならないと批判しています。
 また同事件が生まれる背景は、同国がイラクやアフガニスタンなどイスラム圏の国と戦争を続けてきた結果、「国内にイスラム教徒の文化、イスラム教信仰者への嫌悪と蔑視を植え付け、無意味な対立を助長」したものと指摘。米政府はイラク・アフガニスタンから軍事撤退すべきとのべ、「私たち自身も、日本国憲法9条を守り、私たちが成し得る全ての平和を創る営みを誠実に行うことを表明します」と述べています。