重陽節供 9日は陽数である9が重なる日で、重陽節会(ちょうようのせちえ)の祭が平安時代から京の各地で行われています。有名な重陽節会は西京区の法輪寺、下京区の市比賣(いちひめ)神社、右京区の車折(くるまざき)神社、上賀茂神社などで、延命長寿の菊の花を飾ったり、菊酒を呑めば邪気が払われると伝えられています。
 写真は上賀茂神社の重陽神事の一つ烏相撲です。午前10時半から「菊の被綿(きせわた=菊の花に綿を覆い被せたもの)」の奉納神事が斎王代や神主などで営まれた後、祭殿に移り、烏相撲を上覧します。相撲の前に、神が八咫鳥(やたがらす)となって先導し、大きな功績をたてたと伝わる烏に扮した刀禰(とね)が横飛びして弓、刀を盛り砂に置いて「クワークワークワー」「コーコーコー」と3度鳴き、稲など不作をもたらす邪気を払います。このあとから地元の子どもたちによる相撲が奉納されます。夏休みに真っ黒に日焼けした元気な子どもたち20数人が、白い褌(ふんどし)姿で相撲をとります。観覧席からは「あの子強い!」「かわいい子」と応援と勝敗がつくたびに「ウワー!」と大きな歓声と拍手が送られました。(仲野良典)