六地蔵めぐり 22日と23日は京都洛外にある6カ寺の地蔵巡りの日。伏見の六地蔵にある大善寺(奈良街道の入り口にある通称、六地蔵)は奈良時代以前の705年に藤原鎌足の子によって創建されたと言われる古いお寺です。
 同寺の境内にある六角堂(地蔵堂)に安置している地蔵菩薩立像(重要文化財)は、小野篁(たかむら)が冥土へ行き、生身の地蔵尊を拝して蘇った後に1木から6体の地蔵を刻まれました。その後1156年頃に平清盛が5体を主要街道(大阪街道は上鳥羽の浄禅寺、山陰街道は桂の地蔵寺、鞍馬街道は出雲路の上善寺、東海道は四ノ宮の徳林寺)入り口に分置させ、これら6体の地蔵を巡り、さらにその後白、緑、青、赤などそれぞれの寺院の地蔵尊のお幡をお寺の入り口に吊す風習が生まれ、今日まで伝えられています。
 宇治市から来た女性は「毎年6カ寺をまわっているんですが足腰が弱って今年はここだけにしときます」といい、愛知県から訪れた女性は「今回で3度目です。独身時代が長くやっと結婚できました。感謝の気持ちで来ました」とニコニコ顔で拝んでいました。
 また、嵯峨から来た中年の男性は「朝から桂、鳥羽を自転車で廻って、これから山科と六地蔵巡りの途中です。曇り空で風が爽やかで気持ちいい」とペットボトルのお茶を飲みながら元気いっぱい。六地蔵巡りは家内安全、無病息災や五穀豊穣などの祈願ですが、古来、レクレーションとして健康づくりも併せ持っていた風習で庶民の知恵ともいえるでしょう。(仲野良典)