柳家紫文、かねよ寄席初出演 6月に開かれた、うなぎ料理店「京極 かねよ」(中京区)の定例寄席に音曲師・柳家紫文が初出演。三味線を弾きながら、歴史小説『鬼平犯科帳』をパロディーにした漫談「鬼平半可通」シリーズを披露し、会場をわかせました。
 紫文が三味線をたずさえて、かすれ声で「火付け盗賊改め方の長谷川平蔵が、いつものように両国橋のたもとを歩いておりますと」と切り出し、平蔵の脇を薬売りが通り抜け、水商売の女とすれ違いざまに倒れる話を淡々と語っていきます。“しっとりとした話を聞かせてもらえるのでは”と真剣な眼差しの観客の裏をかくように、駄洒落のようなオチで笑いを誘いました。
 まったく同じストーリーで登場人物の薬売りを、虫売り、金魚売りなどと変えて、会場をひとしきり笑わせ、最後は江戸後期に流行した三味線曲、大津絵節「両国」を披露し締めくくりました。
 玄人の三味線弾きが多い京都での演奏は「やりにくい」と語っていた紫文は、「今日は笑ってもらえてよかったです。また呼んでいただきたい」と話していました。