天龍寺のハス 右京区嵐山嵯峨にある世界文化遺産・天龍寺(1994年に指定)の池で、ハスの花が咲き誇っています。ハスの原産地はインドといわれ、日本には古い時代に中国から伝わりました。和名の蜂巣(はちす)は果実が入っている花台(蓮台)が蜂の巣によく似ているところから名付けられました。
 宮津市から訪れた女性は「マァ、いっぱいのハスきれい! 大きな深い緑の葉っぱにピンクのハスの大輪が抜きん出てきれい」とため息、高槻から来た孫連れの夫婦も「嵐山がバックにあってハスの花が一段と見事ですね」と円錐形の花台を指さして、孫に「ほらお釈迦さんがあそこに座ってはったんで」とニコニコとして説明している一コマも。また修学旅行の中学生たちも写真を撮り合っていました。
 放生池は天龍寺境内南端の勅使門(天龍寺最古の建造物で重要文化財に指定)を入ったところにあり、午前7時頃から無料で観賞できます。今が一番の見ごろですが7月下旬までは連続して花を咲かせます。お勧めは午前中です。茶色い花台もこころ癒してくれるでしょう。(仲野良典)
「朝露にきほひて咲ける蓮(はちす)葉の 塵にはしまぬ人のとふとさ」(良寛)