気候ネットワーク主催の「温暖化防止市民シンポジウム」が20日、京都市中京区の京都商工会議所で開かれ、100人を超える市民が参加しました。
 ノンフィクション作家の山根一眞氏の講演と環境省からの報告に続いて、地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA)の早川光俊氏が「国際交渉の現状とコペンハーゲンに向けた論点」と題して報告。早川氏は、複雑化している2013年以降の温暖化防止について、交渉の枠組みや現状についてふれながら、20年までに05年比15%削減という日本政府の中期目標に、世界の環境NGOから批判が出ていることを指摘。「高い目標に変えさせるのは市民の責務」と訴えました。
 第2部では、「持続可能な社会づくり~地球温暖化と貧困、生物多様性の同時解決」について討論。途上国で顕著となっている妊婦や子どもたちの下痢などでの死亡率の高さ、圧倒的な医療格差などについて「国際的な保健問題」とするオックスファム・ジャパンの山田太雲氏の報告や、“穀物生産量や化石燃料の保有量を考えると、現状の社会の延長線ではこのままでは人間生活を支えられなくなっている”と指摘するWWFジャパンの岡安直比氏などの報告が行われました。地球温暖化問題も含め、途上国からの問題提起を真摯に受け止める必要性が訴えられました。(榊原義道)