治安維持法に反対し刺殺された戦前の労農党代議士、山本宣治(1889-1929年)の生誕120年を記念する講演会が24日、山宣ゆかりの「花やしき浮舟園」(宇治市)で開催されました。山宣の遺族をはじめ市民ら120人が参加しました。
 「山本宣治と現代」と題して大阪市立大学名誉教授の林直道さんが講演し、生物学者、性科学者から産児制限運動や労働者運動、小作争議にかかわる中で、政治家の道に進み、国会議員の中でただ一人命がけで治安維持法改悪を阻止しようとした山宣の生涯を振り返りました。
 林さんは、山宣の遺志は平和、自由、人権を保障した日本国憲法に受け継がれていると述べ、中でも、戦争の放棄を明記した第9条、基本的人権の普遍性をうたった第11条、生存権を保障した第25条がとりわけ重要と指摘。「この3点は、治安維持法に基づき行われた拷問や虐待を国会で徹底して調査・追求をおこない、小作農の厳しい労働条件改善へ苦心するなど、山宣が生涯をかけて守ろうとたたかったものに通じる。暮らしと平和と人権を守る現在の運動を一段と発展、強化するためにも、山宣の生涯とすばらしいたたかいを広く国民の間に普及しよう」と訴えました。