染織史家で、昨年「週刊しんぶん京都民報」に源氏王朝の彩(いろ)を連載していた吉岡幸雄さんがこのほど、京都府文化賞功労賞を受賞することが決まりました。
 吉岡さんは、『延喜式』の研究をもとに14年かけて『源氏物語』に登場する360色を日本古来の植物染めで再現。去年の源氏物語千年紀には、華麗な色に染め上げて作った十二単などの作品と植物染め研究が一躍注目を浴び、展示と講演依頼が全国から殺到していました。
 また、奈良時代からの古代の染織技法の研究やアートデイレクターとしての活躍も評価されました。
 吉岡さんは、「日本古来の植物染めの技術を長年研究し、再現してきた努力が認められたもの。私1人の成果ではなく、工房の職人、植物染めの材料を栽培してくれた生産者の努力のたまもの」と喜びます。