山科区の北端の山麓にある天台宗の護法山出雲寺(通称は毘沙門堂)で、干支の寅にあたる今年最初の8日に初寅大祭が行われました。延暦寺の開祖最澄自ら作った七福神のひとつ毘沙門天を本尊に祀ることから毘沙門堂と呼ばれ親しまれています。
 護法山出雲寺は、703年に賀茂川出雲路橋近くに行基によって創建され、その後山科の現在の場所に移ったと伝えられ、今日では珍しい神仏習合の寺院(諸堂の多くは京都市有形文化財の指定。宸殿襖絵、霊殿天井龍や晩翠庭園などは必見)です。寅は毘沙門天の神使で、新年最初の寅の日に老若男女が参拝する大祭が行われます。
 今年は好天に恵まれ、地元や遠方から沢山の参拝者が急な階段を登って、無料の甘酒が振る舞われてのお参り。本堂でお経をあげてもらって寅人形と絵馬札を吊した福笹を授与してもらい家内安全、商売繁盛と健康長寿を願っていました。(仲野良典)