「市民のためのKBSをめざす実行委員会」は10日、第24回総会を開き、市民、労働者、学者ら約50人が出席し、運動方針として11年アナログテレビ放送廃止問題について地域での議論を深め拙速な放送停止には反対していくことなどを決めました。
 総会では、山田喜代春代表(版画家)、谷口KBS労組委員長のあいさつに続いて、古住公義事務局長が前年度の運動総括と拙速なアナログテレビ放送廃止反対を柱とした運動方針を提案。出席者からは、「11年の地上デジタル化中止に力を入れたい」との意見も出され、全員の拍手で確認しました。
 総会後には、門奈直樹京都産業大学教授が、「グローバル化時代の放送メディアのあり方」と題して記念講演。門奈氏は、グローバリズムとは文化が国境を越えて伝えられることだと指摘した上で、オリンピック報道の歴史を振り返りながら、北京五輪での中国の報道がメダル至上主義ではなかったのにたいして、日本は「がんばれニッポンと町内会の運動会報道だった」と分析。
 さらに、NHKの海外向け国際放送を古森重隆経営委員長が「国策宣伝放送を考える」と発言していることについて、政府からの独立を標ぼうするイギリスBBCと比較して、「グローバリズムの中で座していいのか」と批判しました。
 最後に門奈氏は、「視野はグローバル、視点はローカルに徹し、ささいな事件の大きな意味に気付くのが重要」とのべ、KBS京都がローカル放送局ながら〝世界の放送局〟となる可能性を秘めていることを強調しました。
 出席者からは、BBCのシチズンジャーナリズムやコミュニティテレビについての発言があり、これについて門奈氏は、「すでにKBS京都が実践している。KBSの運動を全国に広げていくことが求められる」と締めくくりました。