養泉寺 福知山市を流れる由良川左岸、鬼ケ岳中腹にある臨済宗南禅寺派の養泉寺境内は、別名「萩の寺」で親しまれている通り満開の萩です。
 現住職の先代が終戦直後に萩を境内に移植し、やがて境内は萩で埋め尽くされ、境内の外にもあふれ出しています。
 観音堂、本堂、山門や通路は咲き乱れる白萩に浮いているような景観で、点在する赤い宮城野萩や錦萩が彩りを添えています。9月下旬頃まで見ごろでしょう。(仲野良典)
「観音の御掌よりこぼる萩の花 (とし江)」


 同寺院は、寺伝によると1339年に孤峰覚明(三光国師)が開創した四筵開場の最初の道場とあり、後醍醐天皇が隠岐島から船で逃れた時に覚明を招き禅学を講じた名刹です。
 境内の丘にある観音堂の天井は福知山城舞殿の格天井を移したと伝えられ、81枚の板には百花百鳥が色鮮やかに描かれています。