12日は初午(ハツウマ)の日。稲荷の神が稲荷山三ケ峰に降臨した日といわれ、記念しての大祭が催されました。朝から小雨の中でも近畿一円から大勢の参拝者でにぎわい「験(シルシ)の杉」を拝受します(写真)。この稲荷山の杉の苗は開運のお守りで、持ち帰り、根付けば幸福をもたらすとか。境内は稲荷山の杉と椎の枝で飾り立てられた青山飾(アオヤマカザリ)が立てられます。庶民の家内安全、商売繁盛の願いはいつの世も変わらないようです。
 京都府下で養鶏場を営んでいる女性は「毎年来てますけど、私らは規模が小さいからだんだんと景気が悪くなって困ってる」、大阪から来たIT関連産業の男性は「この業界は浮き沈みが激しくて、今は悪いです」、芦屋で喫茶店を経営している男性は「1千万円以下でも消費税が課税されてから減収し上乗せ値上げしたら客は減った。最近では材料費が上がってきてコーヒー10円でも上げたらお客さんが遠のくし。最後はこうして神頼みで毎年きとります」と「験の杉」を買って本殿にお参りしていました。(仲野良典)
   きさらぎや今日はつむまのしるしとて 稲荷の杉はもつと葉もなし(光俊)