京丹後市大宮町の平智峠の寺にそびえ立ち、地域の住民らが大切に守っている地蔵にまつわる農民一揆の歴史を発掘した資料集「平智地蔵の謎」と、絵本「新兵衛じぞう」がこのほど、「あまのはしだて出版」(宮津市)から同時出版されました。
 平智地蔵は、文政一揆で処刑された指導者吉田新兵衛の霊を慰めるため、村の浄財で立てられたと伝承されてきました。  郷土史家の安田正明さん(故人)と妻の千恵子さんが12年がかりで、寺に残る古文書を解読、分析。新兵衛を悼んで丹後地方はもとより、関西一円から7万5千人による寄付を集めて、高さ5㍍の巨大な地蔵を建立した経過を突き止め、資料集となったものです。
 絵本は、民衆の勇気と知恵が、絵本作家津田櫓冬さんの美しい絵と文で綴られ、全国学校図書館の協議会の推薦図書となっています。
 資料集は税込み2100円。絵本は同1680円。問い合わせ先は、TEL0772・22・0018。