江戸時代の商家のお番菜を再現した「京町家 くらしとお番菜」が9日、下京区の「杉本家住宅」(京都市指定の有形文化財)で行われ、京都市内や大阪府などから43人が参加。新生姜や新ごぼうなど季節の献立に舌鼓を打ちました。
 献立は杉本家に伝わる備忘録「歳中覚」をもとに作られたものです。キュウリとミョウガ、甘湯葉の梅干和えやナスの含め煮、飛龍頭など6月の「ケ」の日のお番菜7品が出されました。
 料理を担当した次女の節子さんは「祖母は梅雨が近づくと乾物が湿気る前に始末していました。季節の野菜と和えたり、煮たり、気取らないけど滋味のある料理です。無駄にせず美味しく食べる工夫、これが京商家の倹約の心」と話していました。
 杉本家9代目夫人の千代子さんが梅干しの選び方や焼酎を使ってのかび防止、紫蘇を2度塩もみしてあくを十分にとるなどの工夫を披露しました(写真)。参加者らは「丁寧な暮らしぶりに心の豊かさを感じます」と話していました。