滋賀県東近江市で今年も「八日市大凧まつり」が五月晴れの風さわやかな愛知川の河川敷で行われました。全国各地から大勢の凧自慢が、伝統的な長さ300メートルで200個の連凧や巨大な六角凧や創作作品の猫、蝉、ペンギン、揚羽蝶、布団、鳶などをかたどったユニークな凧などたくさん大空に舞いました。
 最大の見どころはなんといっても国の無形民俗文化財指定の八日市大凧。地元大凧保存会が1ヶ月かかって作り上げた100畳敷もある巨大な大凧で重量が700kgもあります。
 3年前に作製された大凧は「非戦の誓い」と名付けられています。凧の図柄は判じものになっており、下部の朱書きの大きな漢字は「誓」、上部は飛び魚の絵で「飛」→ヒ→非、「魚」→ウオ→War→戦と判じされて、併せて「非戦の誓い」となります。現場で指揮している役員さんは「今の世の中、文字通り反戦平和が大事ですよ。来年はいのちがテーマ」と話し、同実行委員長の小梶猛さんも「一層輝きを増して、平和の願いを大凧に託して、世界に発信していきます」と宣言しました。
 約120人の引き手が合図一斉に力強く駆け足で引くと、大凧は強い風に乗って青空に一気に舞い上がりました。堤防上などで見学している約3万人の目を楽しませました。(仲野良典)