京都のまちづくり運動のリーダーの1人で、89年の京都市長選挙で321票差で惜敗した木村万平さん(83)が、『京都破壊に抗して─市民運動20年の軌跡』(かもがわ出版)を出版しました。
 85年ごろのバブル期から始まるすさまじい京都破壊に立ち向かった、全国にも例をみない市民のたたかいを記録しなければ、「市民の記憶から消し去られてしまう」との思いから出版しました。
 数々のマンション建設反対運動はじめ、89年の京都市長選挙の善戦で撤回に追いこんだ大文字山ゴルフ場計画、京都駅、京都ホテルの改築・高層化問題など20年にわたる運動が網羅され、「住環境を守る・京のまちづくり連絡会」を結成し、京都の景観、まちづくり運動の「ほとんど」に関わった著者ならではの、市民のたたかいぶりが生き生きと記録されています。
 京都市の「新景観条例」が今年ようやく施行されますが、ここに到達するまでに木村さんが運動に果たした役割は貴重なもので、全国的にも役立つ内容となっています。
(A5判、386頁、3360円)
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 「週刊しんぷん京都民報」5月27日号に、木村万平さんのインタビューを掲載しています。