3月31日、第8回「小町市」を大本山隨心院で開きました(主催はまちかど市実行委員会、NPO法人匠民の会)。天気に恵まれ、民商会員や地域の人たち1000人が参加しました。
 「小町市」は地域の中で中小業者の果たしている役割を再認識し、本業を発信する機会にするとともに、地域のまちづくりに貢献することを目的に、毎年開いています。8回目を迎える今回のテーマは「私が選んだもの、私がつくったものを見てほしい」。第1回の心意気をもっと発展させようと意気込み、会場では中小業者の技や腕が光っていました。お金儲けでなく、こだわりを持って参加する出店者ばかりでした。
 型紙に当てこて絵を書くことを考案し、2003年に京都府から「現代の名工」に選ばれ表彰された林正信さん(60)=左官=は、こて絵製作を参加者に体験してもらいました。参加者は「こんなことができるのか」と驚きながら、富士山やイノシシの絵を楽しんで描いていました。
 林さんは「大勢に人に知ってほしいと思っていたので、参加者に喜んでもらってうれしい。『市』は民商ならではのとりくみ」と声を弾ませていました。この店は最初から最後まで列が切れませんでした。
 3月に確定申告の相談で入会したばかりの山路さん=寿司店=はちらし寿司(この寿司は小野小町を連想させる美しいものです)とさば寿司、ちりめん山椒を販売。徹夜でつくった60食は飛ぶように売れ、すぐに完売。「駐車違反や飲酒運転の取り締まり強化が売り上げに響いてだけに、今日は最高だった。申告の相談だけじゃなくて、店のPRもできるなんて、民商に入会して本当に良かった」と山路さんは喜んでいました。
 そのほかにも山科や京都のデートスポットを紹介しているガイドブックを特別に仕入れ販売する書籍店、皇室の畳をつくっている畳職人がつくった骨董品、骨董品(陶器)の陳列をした表具屋さんなど、いずれも中小業者の心意気を示すものでした。
 実行委員長の根津泰忠さん(56)=広告=は「山科で商売していることにもっと誇りと自信を持とうと話し合ってきた。回を重ねるたびに『市』を楽しみにしている人も増えている。定期的に開かれてこそ『市』。回数をもっと増やしたい」と抱負を語っていました。(山科民商)