「市民のためのKBSをめざす実行委員会」は3月28日、「スポーツとマスコミ」をテーマに、スポーツジャーナリストの谷口源太郎さんを招いた講演会を行い、20人が参加しました。
 谷口氏は、日本のスポーツ報道が若手タレントを起用した“バラエティー”番組化し、「バレーボールの世界大会にもかかわらず、下位が確定している日本戦をメーンにし、決勝戦を前座にしている」と弊害を指摘。オリンピックやサッカーW杯での「日の丸」ブランドを掲げた扇動的、翼賛的な報道姿勢の危険性に触れ、「常に『勝利(金メダル)至上主義。ナショナリズムの高揚につながる」とのべました。
 情報番組のねつ造事件についての調査報告書で、「情報汚染」という指摘がされたことを紹介し、「生中継でも過剰演出することで、スポーツにも『情報汚染』が生まれる」と警告しました。最後に、スポーツ報道のあり方について、ローカル局が「スポーツをやろう」という姿勢で報道することで、地域のスポーツ振興をバックアップする重要性とともに、「番組づくりにジャーナリストとしての批判精神や調査・検証の姿勢を一貫させることが必要」と提言しました。(M)