2006年のあわただしい年の瀬、知恩院では除夜の鐘のお試しづきが一山の若い僧侶総がかりで行われました。31日に鳴り響く東大路界隈の除夜の鐘は真如堂、金戎光明寺、永観堂、南禅寺から方広寺、智積院と九条通り南の東福寺までだけでも12寺あります。
 これらのほぼ真ん中にあるのが日本3大名鐘と知られテレビの実況中継に放映されるのが知恩院の梵鐘。1636年に鋳造された重厚な音色は今なお東山に響かせています。口径約2.8メートル、重さ1万8千貫(70トン)もある巨大な梵鐘(鐘楼とともに重要文化財指定)を写真のように若き僧侶17名が手綱を引っ張り「エーイスヒトーツ」と掛け声をかけて力強くついた瞬間です。
 一番前の僧侶は全体重をかけてぶら下がったような格好で力いっぱいで勇壮な感じ。参詣の人々もじっと見守り「知恩院さんのは、低くて重厚ないい音色」と感激していました。一足早い除夜の鐘が東山一帯に響きわたっていました。(仲野良典)