12月師走に入って京都の街の社寺もいろいろな行事が営まれています。1日の北野天神の献茶祭に清水寺は仏名会、佐賀釈迦堂では6日の懺悔の行、7日8日は千本釈迦堂の大根焚き、そして8日の嵐山は法輪寺の針供養と10日は終い金比羅は安井金比羅宮、智積院の報恩講・・・終い弘法に終い天神、そして大晦日の除夜の鐘まで毎日のどこかで営まれています。なんとなくそわそわする師走ですが、社寺の催しに詣でるゆとりも京の庶民にはあったようです。
 写真は8日におこなわれた嵐山法輪寺の針供養で針を納めにたくさんの人が訪れているところです。ここ法輪寺は、「難波より 十三まゐり 十三里 もらひにのぼる 智恵もさまざま」と詩われているように近畿一円からの十三参りで有名。西暦350年~450年頃に嵐山や松尾神社界隈は中国の秦一族が移住しすみついて大陸の高度な技術を伝えたところで、染織・漆器・彫刻・醸造など文化工芸が華やいだといわれています。その一つが裁縫であり服飾の技術。   
  本堂内には4つの机が並べられておりその上に巨大な2枚重ねのコンニャクに針(20cmほどの大きな針で5色の糸が通してある)を刺して感謝と裁縫上達を祈願します。同寺の起源は平安遷都前にあると伝わっている京都でも歴史の古い寺院です。(仲野良典)