京都府立大学文学部は、「『みやこ』の姿を考える─京都・ローマ・ロンドン・ダブリン・ニュルンベルク」と題した公開シンポジウムを18日、京都市中京区のハートピア京都で開き約90人が参加しました。
 「京都学」「京都文化学」の構築を目指し2年間にわたる共同研究をもとに行われたもの。パネルディスカッションでは、「京都におけるみやこの演出」のテーマで、ランドマークとしての東寺や京都タワーについて議論。研究者は、江戸時代までの絵図で小さく描かれていた東寺が明治期から大きく描かれるようになった背景について、▽海外からの眼差しを意識し「古都・京都」のイメージをアピールするため▽神社・仏閣を信仰の対象から美術品・文化財として見るようになった─ことなどをあげました。
 パネルディスカッションに先立つ講演では、ヨーロッパ各国の都市の手本となったローマ、大英帝国の首都として「新しいローマ」を目指したロンドン、イギリスの植民地として「ミニ・ロンドン」的演出をされたダブリン、ローマの影響から一線を画しゲルマン精神を演出する「古都」としてあつかわれたニュルンベルクの歴史をたどりながら、京都との比較検討をしました。