14世紀にこつぜんと姿を消した幻の楽器「揩鼓(かいこ)」が4年前に発見され、今、京都で展示されています。京都市左京区の思文閣美術館で開催中の「雅楽の変遷─古の音色を求めて」で見られます。(12月10日まで)
 揩鼓は、右手の指で押さえながら摺(す)って演奏する打楽器。大規模な舞楽会などで用いられていたものです。
 宇治・平等院鳳凰堂の菩薩像や扉絵などをはじめ、多くの古文書に、演奏している様子や記述が残されていますが、14世紀に姿を消しました(中国では10世紀ごろ)。楽器の現物は中国にも正倉院にも残っていませんでした。
 4年前、胴の内側に、「康治三年(1144)法隆寺五師勝賢」などと墨書されたものを東京の総合音楽大学・上野学園大学の日本音楽史研究所が購入。調査の結果、揩鼓と判明し、初の展示に踏み切ったものです。
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 午前10時から午後5時。月曜休館。600円、高大生400円、中学生以下無料。
 思文閣美術館TEL075・751・1777。