第29回科学的障害児教育の創造をめざす研究集会が22、23両日、「21世紀の新しい障害児教育の創造をめざして」をテーマに京都市内で行われ、のべ737人が参加しました。
 2年前にイラクで拘束された高遠菜穂子さんが「命に国境はない」と題した記念講演を、鳥取大学附属養護学校前校長の渡部昭男氏が、「『能力に応ずる教育』から『必要に応ずる教育』への転換」と題し特別講演を行いました。渡部氏は、憲法にある「能力に応じて…」を「子どもの発達の必要に応じて、教育を行う」と60年代から70年代の発達保障の運動の中から読み深めたものが障害児教育の理念であると指摘。子どもたちの力を発揮するにはどうしたらよいかという観点で取り組んでいる実践などを紹介しながら、特別支援教育を「必要に応ずる教育」への転換ととらえることを強調しました。
 2日目は、12の分科会と2つの講座で討論。「子どもたちの生活と地域づくり」の分科会では、「自分らしい生き方」と題した報告について話し合いました。参加した保護者からは、障害者自立支援法など障害者・児の暮らしの不安が多く出されました。(科障研実行委員会)