京都の七夕祭りは、各家庭で短冊などを結んだ笹を飾ります。花を飾る風習も古くからあり、多くの神社でも祭りがたくさん取組まれます。
 北野天満宮では、菅原道真愛用の硯・水差しなどと茄子や御手洗団子を供えての神事が営まれ、三光門には5色の短冊を飾った笹竹が立てられます。今出川通り堀川の白峯神宮では精大明神祭で蹴鞠と七夕小町踊り、織姫舞が奉納されます。
 清水寺境内の地主神社では一対のこけしに自分の名前と心寄せる人の名前を記して笹竹に固く結び成就を祈ります。また、同じ東山区内の臨済宗高台寺(写真)では、大きな笹竹に短冊を結んで願い事を託します。20本もある笹竹の短冊には「将来スポーツキャスターになりたい」「世界から戦争がなくなるように」「私がお嫁にいった後も、おじいちゃん、お父さん、お母さんがいつまでも仲良く健康に笑ってくらせますように」「赤ちゃんが無事産まれますように」などとしたためられています。七月七日の夜、どうか晴れますようにと。(仲野良典)