医療改悪法が14日の参院本会議で自民、公明両党の賛成多数で可決、成立しました。同法の審議で参考人として意見陳述した、日本福祉大学の近藤克則教授が17日、京都市内で行われた「医療フォーラムちょっと待った!医療制度改革」(主催・府保険医協会、府歯科保険医協会)で講演し、「医療費抑制は医療現場の荒廃を招く」と警鐘を鳴らしました。
 フォーラムには市民ら約400人が参加。近藤氏は、サッチャー政権時代の医療費抑制政策によって深刻な人手不足に陥り、救急患者の待ち時間が平均3時間半となるなど、「第3世界並み」と呼ばれるほど荒廃したイギリスの事例を紹介。同国がその反省から5年間で医療費を1・5倍化する目標を掲げる一方、医療事故の増加、医師不足、過酷な労働条件など日本の医療にも荒廃の兆しが見え始めているとのべ、「医療費抑制が続けば、荒廃はさらに進み、患者も国民も、医療従事者も不幸になる。イギリスの〝失敗〟を反面教師に学ぶべき」と指摘しました。 フォーラムでは、落語家・笑福亭松枝さんが創作落語「ストップ・ザ医療破壊」を披露しました。