京都中小企業家同友会は、1月30日、下京区のからすま京都ホテルで「2006年 新春講演会」を開き、中小企業経営者ら約400人が参加しました。第Ⅰ部では、駒澤大学経済学部経済学科教授で、中小企業家同友会全国協議会(中同協)企業環境研究センター委員の吉田敬一氏が「日本経済の動向と中小企業経営のビジョン~地球レベルで考える、地域に根ざした行動を~」と題して講演しました。
 吉田氏は市場原理主義が横行する現在の日本経済をふまえ、ライブドアや耐震強度偽装事件も例にあげながら、「『官から民へ』というが、利益だけの追求ではなく大事なのは「公」だ。自らの利益だけでなく地域社会に役立つという立場で企業活動を進めてこそ、持続的な安定した社会を発展させられる」「この20年間に中小企業の数はドイツやイタリアなどヨーロッパでは減っていないが、日本では猛烈に減少している。今こそ地域に密着した中小企業の役割は大きい」と強調しました。そして中小企業がめざす21世紀の組織づくりにもふれながら、「世界都市として個性、地域性、文化性をもった京都の経済を再生させてこそ、日本経済は再生できるといえる。ここに確信をもって京都の中小企業のみなさんががんばってほしい」と述べました。
 第Ⅱ部の賀詞交歓会であいさつに立った同会の井上誠二代表理事は、「ライブドア、耐震偽装など昨今の事件は、中小企業家同友会がめざす方向性が間違っていなかったことを示している。地域社会に貢献し、『よい会社をつくろう』『すぐれた経営者になろう』
『経営環境を改善しよう』の三つの目標の実現をめざして同友会を拡大強化しよう」とよびかけました。