伏見区大岩街道周辺の産業廃棄物公害問題にとりくんでいる「深草の環境を守る会」は1月29日、伏見区の京(みやこ)エコロジーセンターで、学習会「いまどき問題の廃棄物 アスベストとフェロシルト」を開き、約40名が参加しました。昨年11月毎日新聞で集中連載「アスベストを追う」を執筆した毎日新聞社会部編集委員の大島秀利さんが「アスベストを追い続けて-国の失政と被害」について、また、環境・労働問題をテーマに取材を続けてきたジャーナリストの井部正之さんが「再燃する二つの『負の遺産』─アスベスト問題とフェロシルト問題を取材して」について講演しました。
 大島さんは、「クボタ」など企業の責任とともに、問題が大きくなった2005年まで国際労働機関(ILO)の石綿安全条約(1985年採択)を批准しなかったことをはじめ、長期にわたって対策を怠ってきた政府の責任を厳しく指摘し、「アスベスト被害者への真の補償、解体・改築建築物の監視、アジアのアスベスト消費の増加が、今後の焦点となっている」と強調しました。
 井部さんは、飛散性のものに比べこれまで注目されてこなかった廃棄物に含まれる非飛散性のアスベストの危険性、さらには、有毒の六価クロムのみならず放射性廃棄物としてのフェロシルトの危険性を具体的事例をあげて明らかにし、「政府の対策の遅れから日本が『汚染』循環型社会になりつつある」と警告しました。質疑・討論では、大岩街道の産業廃棄物の現状や加茂町のフェロシルト埋め立て問題などが報告されました。
 日本共産党の久守一敏府議、佐藤和夫・赤阪仁両京都市議も参加しました。


 「深草の環境を守る会」は、2月5日(日)午前10時より「大岩街道産廃処理場ウォッチング」を行います(事務局・尾関・643-2846)。