【衆院選2026/京都から問う】〔生活保護〕「違法な減額」論議されるべきだった 「いのちのとりで裁判全国アクション」共同代表、弁護士・尾藤廣喜弁護士

政府が2013年~15年に行った戦後最大の生活保護基準額の引き下げ問題を通じて、ナショナルミニマム、社会保障の在り方が問われています。
「再減額」に批判相次ぐ
生活保護基準額の引き下げの取り消しを求めた裁判(いのちのとりで裁判)では、最高裁は昨年、引き下げは違法と断罪しました。ところが、政府は最高裁判決で違法となった方法とは別の方法で再減額するという方針を決定したことで、法曹関係者を中心に相次いで批判の声が上がっています。
原告と支援する弁護士らでつくる「いのちのとりで裁判全国アクション」は、国の三権分立を揺るがすとして撤回を求める声明を発表。続いて、全国の法学研究者ら123人が「人権侵害行為」と抗議の緊急声明を出し、今年1月には、日本弁護士連合会の元会長など約1300人の弁護士が「最高裁判決に従うよう求める」共同声明を発表しました。
バッシング急先鋒が政権中枢に
それでも政府は再減額を実施しようとしています。生活保護減額を12年の衆院選の公約に掲げたのが自民党であり、生活保護バッシングの急先鋒となってきたのが、現在の高市首相と片山財務大臣。この2人が政権の中枢にいるからです。
本来なら通常国会で、政府方針の撤回とともに、違法な減額がなぜ行われたのかの検証や生活保護の在り方そのものが論議されるべきでした。生活保護はナショナルミニマムの基準であり社会保障全体にかかわる重大な問題です。今、自民に加えて維新、国民民主、参政党が高齢者と若者を分断し、社会保障費を削減する政策を推進しようとしています。有権者は各党の政策を十分に見極めて投票する責任があると思います。



