賃上げしない“失われた30年”打開を シンポで交流/中小企業への直接支援が必要
賃上げ・雇用シンポジウム「『失われた30年』を打ち破ろう もっと報われる社会に 生活できる賃金で地域経済の再生を」(日本共産党府議団や京都総評などでつくる実行委員会主催)が12月17日、京都市内で行われました。
京都最賃審「一者たりともとりこぼさない」
京都総評の梶川憲議長が開会のあいさつ。20世紀末から長期に続く雇用の劣化、大幅な賃金の下落、セーフティーネットの縮小などで「失われた30年」となっているとし、「京都の最低賃金審議会の答申でも、賃上げのために政府が中小企業への直接支援を行い、『一者たりともとりこぼさない』ことが強調されている。3カ月後に迫った府知事選も視野にしながら、議論を深め合っていきましょう」と述べました。
徳島文理大学の齋藤敦教授が、徳島県での最低賃金大幅引き上げの取り組みや労働運動などについて講演。1990年代以降、日本では非正規雇用が拡大し、経済成長率(実質GDP)が低下し続け、諸外国と比べても極度に賃上げが進んでいない状況などについて解説しました。
徳島県では2年で最賃150円アップ
徳島県では昨年、最低賃金を84円引き上げて時給980円にしたのに続き、今年は1046円にさらに引き上げ、「徳島の最低賃金審議会では現役労働者や学生らが意見陳述し、全国最低レベルだった最賃を引き上げなければ、地域間格差が広がっていくことなどを訴えました。経営者側とも懇談しながら、最賃の引き上げが進んできた」と述べました。
今の賃金不十分76%
日本共産党府議団の馬場紘平府議が、府議団が取り組んでいる「くらし・働き方の実態アンケート」の中間報告を行いました。京都市内の街頭や、オンラインなどで86人から聞き取りを実施。今の賃金について、「不十分」が75・9%を占め、必要な賃上げ額が「5万円以上」が51・1%、「3~5万円」が29・8%となるなど、大幅な賃上げが必要なことが浮き彫りになったと強調。「人間らしい生活をさせてほしい」(50代)、「物価高と、子どもが育ち盛りで生活はカツカツ」(40代)などの声が寄せられているとし、「来年春の府知事選で、賃上げを実現し、とことん暮らしを応援する府政に変えよう」と呼びかけました。
府内の各団体・個人から発言があり、「中小企業への固定費補助など賃上げを支援の施策が必要」(企業組合)、「万博では建設費、賃金未払いが起こり、大問題になった。建築労働者の賃金を守る仕組みが必要」(京建労)、「会計年度任用職員の『3年公募』は廃止を」(府職労)などの意見が出され、交流しました。




