【参院選2025】「女性トイレ増設は政治課題だ」参院比例候補・井上議員が繰り返し国会質問/女性トイレ行列解消へ「骨太の方針」に「利用環境改善へ対策推進」明記

参院選で日本共産党の比例代表候補として連日奮闘している井上さとし参院議員が、女性用公共トイレの増設を求めて国会質問を繰り返し行ってきたことなどを受け、政府が先日、閣議決定した「骨太の方針2025」に、「対策を推進」することが盛り込まれました。質問とともに切実な実態の改善を求める声が実ったもので、「公共トイレで長い列に困ったことのない女性はいないでしょう。井上さん、やるやん」「対策前進へ、これからも引き続き国会で頑張って」との声が寄せられています。
井上さんがこの問題を取り上げるきっかけとなったのは、ある女性へのインタビュー記事でした。2023年2月2日付の「しんぶん赤旗」に掲載されたもので、都内に住む女性が、女性用トイレになぜ長い行列ができるのか、全国の公共トイレの男女別便器数を独自調査。女性用は個室で場所をとることから、男女の各トイレの面積はほぼ同じでも、男性用便器数が女性用の1・76倍も多いことが調査で分かったことなどを報じていました。
「調査結果に驚きでした。女性にとって日常生活で不便なだけでない。社会参加を進めるためにもトイレ増設は政治課題だ」
井上さんは、質問に取り組むことを決めた当時のことをこう振り返ります。公共トイレの入り口の壁には案内板があり、中に入らなくても個室や便器数が判明することも分かりました。

23年5月の参院内閣委員会で初めて質問しました。同調査結果をはじめ、英国王立公衆衛生協会による「公衆トイレの便器数の男女比は1対2が適切」との報告書(19年)や女性のトイレ利用時間が男性の2・5倍かかるという調査も示し、追及。実態把握を行うとともに、「トイレの男女比の目安になる考え方を示す必要がある」と対策を求めました。
昨年1月の参院予算委員会では、自身が被害状況を調査した石川県輪島市の避難所の状況を示し、避難所の女性トイレなどの環境改善を要求。岸田首相(当時)は「避難所における女性の待遇改善につながるよう努めたい」と答弁しました。
今年5月の同委員会では、井上さんは改めて「公共トイレの待ち時間の平等が必要」と述べ、トイレの便器数の男女割合の目安を示すよう要求。三原じゅん子男女共同参画相は「できる限り待ち時間の男女の均等化が図られるよう自治体に周知していく」と答えていました。
「『当初は、男性がどうしてこんな質問をするんだ?』と思われていたようです」と話す井上さん。しかし、データを基にした粘り強い質問や改善を求める女性たちの広範な声が実りました。
避難所トイレの指針改定に
政府は昨年12月、避難所のトイレ環境の改善に関する指針を改定。男性用と女性用の比率を1対3とするよう推奨するとしました。さらに、政府が今年6月に閣議決定した「骨太の方針2025」には、「女性用トイレの利用環境の改善に向けて、国内外の動向等の把握を進め、対策を推進する」ことが盛り込まれました。
併せて、石破首相は7月4日、「長い行列ができる女性用トイレの利用環境改善に取り組みます」「できるだけ待ち時間の差がないように政府全体で取り組みます」とのメッセージを発信しました。
井上さんが6日、京都市上京区で開かれた演説会で経過を報告し、「みなさんの声が政府を動かしました。これからも国会で引き続き働かせて下さい」と訴えると、参加者は拍手と声援で応えました。
記者から経過を聞いた人たちからは、こんな声が返ってきました。
41歳の女性は「男性用と女性用で便器数が違うなんて。男女平等の観点から取り上げてくれたことが心強い」と言います。75歳の女性は「あきらめていたのに、ありがたい」と感謝しました。
また、新婦人中京支部の竹島薫さん(66)は「待ち時間を平等にしようとしたら、基準が必要だと政府に迫る、さすがです。ジェンダー平等実現へ、私たちと一緒に力を合わせてほしい」と話しました。
