「子どもと教育・文化を守る京都府民会議」は8月27日、京都市左京区の教育文化センターで「どうみる国葬 緊急学習会~子ども・国民への弔意強制は許されるの?」と題して学習・交流会を開催し、オンラインを含め、教職員や保護者ら75人が参加。国葬反対の署名運動が呼びかけられました。

 福山和人弁護士は「国葬」について、現憲法下では皇室典範に基づくものを除いて、吉田茂元首相(1967年)だけで、戦前の国葬令が失効(1947年)しているもとで「法的根拠はない」と指摘。
 国が根拠としている「内閣府設置法4条3項33号」は内閣府の所掌事務の範囲としての「国の儀式」であり、国葬を含む根拠はないと述べました。また、「不測の支出」として予備費からの財政支出について、国葬自体は岸田内閣が閣議決定したもので「不測」にあたらず、予備費として支出したとしても事後的に国会の承認が必要だと指摘。国費の支出は国会の議決が必要であり、憲法83、85条の「財政民主主義」に反するとして「費用は会場費だけで2億5000万円。警備などを含めれば40~50億円ともいわれる。国会議決なしで執行することはあり得ない」と批判しました。

 各府省に求める閣議了解が見送られた弔意表明は「思想信条の自由」の侵害にあたると指摘。このほか、なぜ安倍氏なのかという基準がなく「平等原則」違反、国民の過半数が反対を示すもとで「国民主権」にも反するなど、憲法に抵触するおそれがあるとして、国葬の反対と撤回を強調しました。

 交流では、小学校長あてに子どもたちに弔意表明の強要をしないよう求める要望書を提出した保護者や区内の小中学校へ申し入れを準備しているという新婦人伏見支部などのほか、「国葬よりもコロナ対策に回すべき」「どうしたら国葬を止められるのか」などの意見が出されました。福山氏は「臨時国会を開かせることが大きなポイント。国葬反対のネット署名だけでなく、街頭での署名活動も含めて意見を発信し、政治を動かしていくことが大事」と話しました。

 京都教職員組合の中野宏之委員長があいさつ。教組として「国葬」中止と学校への弔意強要を実施しないよう求める要望書を8月9日に提出したと述べ、弔意の押し付けに反対する要請行動とともに「国葬」中止を求める宣伝、署名を呼びかけました。

9日午後6時から「国葬」反対宣伝

 同府民会議は9日午後6時から、三条河原町で宣伝行動を予定しており、参加を呼びかけています。問い合わせ先℡075・752・0011(京教組)。