科学の軽視、後手コロナ対策と同質性

 日本学術会議が推薦した会員候補6人を菅義偉首相が任命しなかった問題で、候補の1人である立命館大学法科大学院の松宮孝明教授が4月17日、京都退職教職員の会(京退教)の学習講演会で講演し、「任命拒否を許さず、忘れないことが大切だ」と訴えました。

 学習講演会は感染防止対策を実施したうえで、京都教育文化センター(京都市左京区)と府内7会場、個人宅をオンラインで結んで行い、約100人が参加しました。

 京退教の長谷川英俊会長は、「任命拒否問題は許すことのできない問題。戦争とファシズムに抗して子どもを愛し、未来に希望をつないだ教師を獄に閉じ込めた歴史を繰り返してはならない」と呼びかけました。

 松宮教授は「学術会議会員任命拒否問題と学問の自由、法治国家」と題して講演。「任命拒否問題とコロナ禍対策の失敗とは同質性がある。科学を軽視し、批判に耳を傾けないことだ」と強調。また、日本学術会議法や憲法と照らし合わせ、「学問の自由」の重要性から、任命拒否の問題の重大さを掘り下げて解説しました。

 さらに、今国会で審議されているデジタル関連法案などによって、内閣総理大臣の権限が強化され、首相の独裁を容認する流れが強まっていることも指摘し、重大な懸念を表明しました。

 参加者からの質疑に答えて、松宮教授は、任命拒否された会員が、特任連携会員として学術会議の任務に就きつつ任命を求めていることや、会員の任期は6年でその間に総理大臣が代わることも説明。今後、どう展望を切り開くかが鍵だと述べました。参加者は「学者、教師を国家の下僕に戦争への道を進もうとする歴史の逆流を許してはならない」との思いを固め合いました。(小中)