任期満了に伴う京都府知事選挙が8日、投開票され、「つなぐ京都」の福山和人(かずひと)氏=無所属新人・日本共産党推薦、新社会党、緑の党グリーンズジャパン京都府本部支持=が317,617票(得票率44・1%)を獲得し、大健闘しました。当選は、前復興庁事務次官の西脇隆俊氏=無所属新人・自民、公明、立憲民主、希望、民進推薦=(開票率99%、8日午後11時29分)。

 西脇氏の得票は、402,672票(得票率55.9%)。

 福山氏は京都市中京区の「つなぐ京都」事務所に、午後8時半過ぎに姿を見せ、集まった約100人の支援者から大きな拍手で迎えられました。

 福山氏は、支援した団体や政党、個人をはじめ事務所のスタッフ、ボランティアに感謝の意を表明。「普通の言葉で政治を語り、ボトムアップというの形で皆さんの願いに応える府政を目指して、頑張ってきました。そうした私たちの取り組みは一定の新しい京都府政のあり方を切り開いてきたのではないでしょうか」と述べ、「府政を改革する流れを押しとどめることはできないと思います。そういう意味で今日は終わりの始まりと考えます。多くの皆さんと手を携え、府民参加の京都府政を作っていく第一歩にしたい」と決意を表明しました。

 メディアのインタビューに答えた福山氏は、西脇氏との政策論戦が不十分だったこと、府内各地で開いてきた政策タウンミーティングを通じて、府民の生活実感として閉塞感があり、府民の願いが府政に届いていないことを実感したと述べました。2カ月弱の選挙戦で感じたこととして「多くの皆さんとつながったことは私の財産であり、そのつながりに入った皆さんにとっても大きな財産になったと思います。私たちが選挙で作り上げた新たな市民の政治参加、府政のありよう、府政をどのようにつくっていくのか、そういう動きはとても価値のあるものだった」と述べると、大きな拍手と「そうだ」と声援が送られました。
 
 呼びかけ人の西郷南海子(みなこ)さんと石田紀郎(のりお)さんがあいさつ。西郷さんは「福山さんを見て、福山さんの言葉を聞いて私たちの候補だと思い、これだけの輪を作り出しました。つながるってこんなに面白い、政治ってこんなに面白いと心の底から実感した。選挙戦は私たち一人ひとりの内側からは始まっていく、この実感を次の選挙まで持っていき、次は必ず勝ちましょう」と元気いっぱい呼びかけました。

 石田氏は、選挙公報の西脇氏の政策に全く中身がないこと、野党の中で野合としか思えない動きがあったことを批判し、「福山さんが政策論争を挑んだのに相手は応えなかった。京都をどうしていくのか、ガタガタの日本をどうするのか、もっと論争しましょう。それが選挙をやった意味だと思います」と語り、今回の新しい選挙のたたかい方について、「私自身が突破したこともあった。皆さんもそうでしょう。福山選挙は、新しい時代を切り開いた歴史的な市民運動の選挙だった」と述べました。

 福山氏の得票率(44.1%)は、自民党府政下で行われた1982年以降の知事選挙で、「民主府政の会」が擁立または、確認団体に関わった候補としては、1998年の森川明氏(得票率41.4%)を上回り、過去最高となる見込みです。