法金剛院の蓮 「蓮の寺」として親しまれている法金剛院(京都市右京区・花園)の極楽浄土を模した「浄土式庭園」(池泉回遊式庭園)は花の宝庫。春から夏にかけて枝垂れ桜、菩提樹、クチナシ、サラソウジュ、アジサイ、ハナショウブ、アジサイ、キキョウ、池にはハスなど四季折々の美しい花を咲かせます。
 地名の「花園」もこの寺院から生まれたといわれています。
 今は約300株のアジサイが色鮮やかに咲いています。ハスもポツポツ咲き始め、大賀ハスや王子ハスほか国外から収集された青、黄、赤、桃、白など色とりどり約87種約90鉢がこれから順次、苑池一面に美しく競い合います。 
 訪れた女性は「地元にすんでいて初めて。こんな立派な庭園が近くにあったなんてビックリ」、大分県から来た夫婦連れは「清楚で気品もあって京都らしい雰囲気が一番ある庭園ですね」と感想を述べます。
 アジサイやサラソウジュ、ハナショウブ、キキョウなどは今が一番の見ごろ。ハスは開花し始めていますが、7月中旬ごろには池一面に見事な花が咲き乱れそうです。
 「なんとなく芹と聞くこそあはれなれ 摘みけん人の心知られて(西行)」
 *西行は美貌の待賢門院を深く慕ってたびたび法金剛院を訪れ、歌を詠みました。上記はかなわぬ恋に西行の切ない想いをこめた歌。(仲野良典)