もう一つの変化は医療機器を駆使したり、陣痛誘発など、出産が医療化してきたんです。妊婦さんが「病院行って産ましてもらう」ものという認識になってきて、自分が「産む主体だ」という思いが希薄になっています。日本はこういう変化が5、60年の間でゆっくりと起こりました。
 私は99年に半年ほどネパールに行く機会があって、そこのお産の様子をじっくり見させてもらったんです。この家はバスで10時間ほどかかり2日ほど歩いていくようなところだったんですが、医療機関が無く、お母さんたちはみんな99%家で産むんです。日本とは逆なんです。
 このお母さんは15歳くらいなんですが、半年ほど前に家で子どもを産んだといっていました。
 この写真では、若いお母さんたちを病院に呼んで衛生教育しているんです。この方たち全体は13歳くらいから、20歳くらいで2、3に人産んでるんですよ。ここで「どうやって産むの」「お産って怖くない?」と聞くと、お母さんは、「はじめは怖いけれど2回目からは赤ちゃんが自分で降りようとしているのが分かります」と話します。
 「いま赤ちゃんがこうしています」と自分で実況中継しながら出産される人もいます。この人たちは若いんですが、みなさん母親としての自信にあふれているんです。
 医療というのはリスクのある、妊娠、出産に対して大きく貢献します。しかし、高度に医療が発展した日本で、あえて家庭分娩を選ぶことについて、お母さん方が何を求めているのかを話したいと思います。
 みなさん家庭分娩にはいろんな思いがあるんですが、それぞれお顔がちがうように、家庭のお産は個別的で、いわゆるオーダーメイドのお産になるわけです。赤ちゃんを産んで赤ちゃんを産む以上のものを得るものになっていると思います。 私がお手伝いした、4人、5人と子だくさんのお母さんらが家で生みたいと切実におっしやるんです。
 この方は奈良県の山添村で、5人目の赤ちゃんを家庭出産されて方なんです。自分なりに子どもたちにどうやったら命の大切さを伝えられることができるんだろうと考えて、みんなの前で子どもを産むために5人目を妊娠されたんです。