蟹工船 格差・貧困問題が深刻になる中、テレビや新聞でプロレタリア文学の代表作、小林多喜二の「蟹工船・党生活者」(新潮文庫)が紹介され、話題になっています。京都市内の書店でも異例の売れ行きを見せています。各書店の売れ行きを4日、聞いていきました。
 京都市南区の「アバンティブックセンター京都」は、「蟹工船」約60冊を平積みで置いていました。文庫本の売り上げランキングは7位。
 同店の店員の男性は、「ワーキングプアの本などといっしょに置いています。テレビで紹介されてた影響か、ここ1、2週間ですごく売り上げが伸びてますよ」と言います。
 京都市下京区の「ジュンク堂書店京都店」では、「蟹工船」が見当たりません。店員に聞くと、今朝2冊あったものが午後には売り切れたとのこと。「すぐに入荷したいんですが、在庫が少ないのか、入ってこないんですよ」と嘆きます。
 京都市下京区の「くまざわ書店 四条烏丸店」では、文庫本ランキング2位。同店の女性店員は「幅広い世代の方が買っていかれますね」と言います。
 「これは現代だ―今の労働者にも共感が…」という大きなポップを作って紹介しているのは、下京区の「ブックファースト京都店」。1、2週間前から「蟹工船」コーナーを設置しています。同店の女性店員は「先週くらいから売れ行きが上っています。うちは若い人が半分くらい買っていきますね」と話します。
 「大垣書店烏丸三条店」では、6月に入ってから大量に入荷。女性店員は「毎日4、5冊は売れていきます。テレビでも紹介されたり、ワーキングプアの問題が話題になっているからだと思います。先週のランキングには入りませんでしたが、来週には上位になると思いますよ」と話します。