嵐山の松尾大社と桂川の東対岸にある梅宮大社(うめのみやたいしゃ)では、金色の「金枝梅」や一株に紅白の花をつける「思いのまま」などの珍種をはじめ、30種550本ほどが境内神苑に咲き誇り、絶え間なく訪れる人の目を楽しませています。暖冬の今年はあと1週間が最盛期で見ごろです。梅は古来に中国から伝来し、薬用としても珍重されていたのですが、当社も子宝を授かる産と梅があわさって、神花は創設いらい梅。また、西神苑の梅林は江戸中頃に本居宣長が梅宮に献木の梅に添えて、『よの目にも その神垣とみゆるまで 植えれば梅を千本八千本』と詠んだと伝えています。(仲野良典)