京都の季節行事の1つ八朔は、八月朔日(ついたち)のことで、五穀豊穣と風雨無難を願っての八朔神事。特に旧暦古くはたのみの節。田の実や頼みの語呂合わせで稲穂を御所へ献上し、一般農家は田の実(稲)の穂入り前にして新穀の豊熟を祈っての神頼みの行事とかいわれています。
 ここ西京区の松尾大社でも八朔祭が9月第1日曜日(今年は3日)に行われました。前夜に約3000個の提灯の万灯祭で盆踊り、当日は奉納相撲が行われ(写真=同志社大相撲Cと京都市上下水道局相撲Cとの団体戦)、酒の全国総元締めの神らしく酒樽でつくったかわいい子供御輿が境内を練り歩きました。
 夕刻からは嵯峨野六斎念仏保存会による六斎念仏が演じられ、参観者と一体になって楽しい雰囲気を醸(かも)し出し、演目が終わる毎に大きな拍手が起こりました。六斎念仏は国の重要無形民俗文化財に指定されていますが、吉祥院・梅津・久世・嵯峨野・西院・壬生・千本・小山・上鳥羽・円覚寺などに保存会がつくられて後世に伝承されています。(中野良典)