京都市交響楽団は6月24日、京都市左京区の京都コンサートホールで創立50周年を記念し、総勢400人(楽団、合唱団)でシェーンベルク作曲の大曲「グレの歌」を初演しました。東京交響楽団との初共演。豪華な舞台で、京都の音楽界に新たな歴史を刻みました。
 「グレの歌」は、「ロマン派の記念碑的作品」と賞賛される曲。約140人の合同オーケストラによる重厚なハーモニーに、テノール歌手トーマス・スチュードベイカー氏(米国)ら5人のソリストの朗々とした歌声が溶け合い、最終楽章では、合唱団も加わるダイナミックな演奏で聴衆を魅了しました。
 共演は、大友直人氏が両楽団の常任指揮者をつとめていることから実ったもの。当日は、オーケストラの指揮を大友氏が、合唱の指揮は京都府合唱連盟の浅井敬壹理事長と新国立劇場合唱団指揮者の三澤洋史氏が務めました。


 シェーンベルク(1874~1951) ワーグナー、マーラーら後期ロマン派の巨匠の影響を受けながら、従来の調性を廃した「12音技法」と呼ばれる現代音楽の作曲法を築きました。