世界遺産の保全・継承へ新たな仕組み必要/日本共産党京都市議団が世界遺産保護条例案を提案 京都市議会

12月3日の文教はぐくみ委員会で審議
日本共産党京都市議団は11月25日、開会された11月定例市議会本会議に世界遺産保護条例案を提案し、冨樫豊議員が提案理由の説明を行いました。
現在、京都・宇治・大津の3市にまたがる17遺産が1994年に「古都京都の文化財」として世界遺産に登録され、うち14遺産が京都市にあります。議員団は、古都京都の文化財を後世に引き継ぐことを目指し、2月に条例骨子案を発表。市民や専門家の意見などを踏まえて練り上げ、条例案としてまとめました。
冨樫議員は条例の意義、必要性について説明。前文で、世界遺産を守ることが「人々の心の中に平和のとりでを築くことになる」とうたっていることを示し、「条例には人類普遍の理想に資する意義がある」と強調しました。
また、現行の法制度や市の仕組みだけでは、世界遺産の普遍的な価値を守ることができないことや、進行している大規模な都市計画の見直しが世界遺産の価値に影響を与える危険性などを指摘し、「世界遺産を継承するための新たな仕組みが必要」と強調しました。
併せて、18条で構成されている条例案の特徴について説明。世界遺産の保全に対する市の責務を明確にするとともに、議会の関与や市民参加を保障し、保存・管理の状況が適切でない場合、市民が市長に意見の申し立てを行うことができる制度を盛り込むことで、「条例の実効性を確保した」と述べました。
条例案は12月3日午前10時開催の文教はぐくみ委員会に付託、審議が行われます(ただし条例案の審議開始時間は未定)。議員団では、委員会の直接傍聴や市議会ホームページからのインターネット中継の視聴を呼びかけています。問い合わせはTEL075・222・3728(同議員団)。



