現場を調査する日本共産党の今西久美子(右)、山本精両町議

過去に「盛り土条例」違反事例も

 宇治田原町岩山で、大阪市の業者が「太陽光発電用地の測量」として約3000平方メートルの森林伐採の申請を行い、進入路の造成、伐採作業を進めています。小学校の通学路をダンプなどの工事車両が通行するほか、同町の他地域で別業者の太陽光発電設置工事で、計画地内に大量の土砂が持ち込まれた事例があったことから、地元住民から安全、環境両面で不安の声があがっています。

 町に伐採届けがあったのは4月3日。計画書によると幅員4メートル、全長50メートルの機械搬入路を建設し、6月末までに木材を搬出するとしています。目的は「太陽光発電用地の測量」としていますが、太陽光発電建設に関する計画書は、提出されていません。

 3年前には、同町奥山田地域で別業者が国道307号に隣接する場所に太陽光発電を計画。「宇治田原町土砂等による土地の埋立て、盛土及びたい積行為の規制に関する条例」(=「盛り土条例」)では300立方メートル以上の盛り土を行う際には申請が必要ですが、業者は森林を伐採し、条例申請を行うことなく大量の土砂を搬入。町建設事業部長が「現在、盛り土条例違反の状態にあります」(2017年の同町議会9月定例会)と答弁する事態になりました。

計画地下流域に田や住宅地

 今回の計画地の下流域には田や住宅、国道307号から新興住宅地への進入路があります。近隣住民は「町民の散歩コースになっており、狭い道を工事車両が出入りして不安との声を聞く」「奥山田同様、土砂が持ち込まれることになれば、下流域での被害が想定される」などと語っています。

 本紙は事業者に対し▽太陽光発電施設建設計画▽(建設)残土の処理などに利用する予定はあるか―などを質問。業者は、施主との業務委託契約に守秘義務条項があるとして、「この件に関して第三者に口外することは出来かねます」と回答しました。