住民有志が「考える会」 自校給食の堅持を

 京丹後市は小中学校給食を、自校方式からセンター方式へ変更する方針を打ち出してします。これに対し、市民からは「自校方式を守って」「保護者や住民の意見を聞いて十分な議論を」などの声が上がっています。

 方針は、昨年5月の市議会文教厚生委員会で同市教育委員会が、「京丹後市学校給食設備整備調査業務委託 報告書」を施設整備の基本構想案と位置づけて示したもの。

 報告書は、各学校の給食施設で老朽化が進むとともに、給食の衛生管理基準に照らして改善が求められる施設が多くあることを背景に、同市が2018年8月、施設整備方針の調査を委託した民間企業が作成したもの。

 現在、同市の小中学校(全24校)では、センター方式の網野町5校を除き、自校方式となっています。

 報告書の中で、将来的な施設整備方式として、▽現状維持▽全校で自校方式▽センター方式(センター数は5、3の2種類)▽2センター、1自校方式─の5ケースについて検討しています。

 その中で、事業費や食育などの項目で比較した結果、▽概算事業費が約105憶円で3番目に安い▽地元食材の活用が可能─などの点において5施設によるセンター化が最も高い評価となっています。

 また、今後のスケジュールとして、23、24年度中に5センターの運営を開始する案が示されています。

 同市教委によると、「大きな方向性はセンター方式であるが、施設数やスケジュールはこれからの検討課題」としています。同構想案は、17日段階で、市民には公開されていません。

 こうしたなか、市議会での質問を通じて基本構想案を知った住民有志が「京丹後よりよい学校給食を考える会」を昨年11月に結成。学習会の開催や給食調理員との懇談などに取り組んできました。

 同会の田中雅代事務局長は「我々は、食育や地産地消の観点からセンター方式ではなく、現状維持を望んでいます」と語ります。

 加えて、構想案が市民に公表されていないことから、「少なくとも保護者や教職員、住民に方針を知らせた上で、十分な議論を経て進めていくべきだ。会としても広く市民にこのことを知らせ、給食のあり方を考えていきたい」と話しています。

 日本共産党市議団(4人)の田中邦生団長は昨年の市議会9月定例会の一般質問で、センター化方針を「あまりに拙速」と批判。その上で、「市民、保護者、教職員などで議論を重ねることが重要だ」と市教委の姿勢をただしました。