宇治大型パチンコ
府道側からパチンコ店建設予定地を眺め、大河議員(左端)に思いを伝える住民ら

 宇治市南西の大久保地域に、大規模パチンコ店の出店計画がわかり、地域住民らが住環境への影響に不安を抱いています。

 計画予定地は、府営住宅西大久保団地の北側に位置する日産車体の跡地(約1・9万平方㍍)。パチンコの巨大店舗運営やホテル開発事業を展開する株式会社松原興産(本社・京都市伏見区)が、コンビニや飲食店が付随するパチンコ店と立体駐車場の建設を計画しています。昨年の宇治市議会12月定例会一般質問(12月13日)で、日本共産党の大河直幸議員が取り上げたことで明らかになりました。

6階建て立駐1372台分

 計画では、府道宇治淀線に面する側に高さ12・4㍍の遊戯施設(延床面積約7390平方㍍)、その南側に高さ20㍍、6階の立体駐車場(延床面積約2万540平方㍍)を建設。駐車場は、立体、平面合わせて計1372台分を設置する予定です。

 パチンコは、射幸心をそそる恐れのある営業として「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」(風営法)の対象となり、京都府公安委員会の許可が必要です。府公安委員会では、学校の敷地から半径100㍍の範囲では出店許可ができないと規制しています。

 大河議員は議会質問で、開発予定の敷地が西大久保小学校から100㍍の範囲にかかることから、法令上、疑義のある開発だと指摘し、市の対応についてただしました。

 市の都市整備部長は、開発事業の構想の届出では、小学校から100㍍にかかる部分は用途未定地として開発区域に含まれていると答弁。公安委員会と取り扱いを協議すると述べるにとどめ、開発を認めないとの明言は避けました。これを受けて大河議員は、「市は法令上、疑義のある開発は許さないと明確に対応いただきたい」と求めました。

5百㍍圏内に既に5店舗も

 予定地周辺には、法的規制のない半径500㍍圏内に、平盛小学校と南宇治中学校、保育所3園があり、教育施設が集中。また、パチンコ店に限れば、予定地から500㍍圏に、すでに5店舗が出店しています。

 地域住民からは、「パチンコ店よりもスーパーの誘致を優先するとか、住民が集える場や子どもの遊び場に活用してほしい」との声が出されました。

 同地域のくりくま保育園の武尾正信園長は、「予定地の南側には教育施設が多く、子どもの教育環境には良くない施設。府営住宅やマンションと隣接しており、住環境への影響も心配です」と話し、住民同士が情報交換できる場を近日中に準備する予定です。

力合わせて開発中止に

 大河議員は、「小学校の保護者からは不安やパチンコ店はいらないとの声が出ています。保護者、住民のみなさんと力を合わせて、開発を中止させたい」と語っています。

「週刊京都民報」1月12日付より