補助金が支給されず、全額園負担で整備された園庭

園長「プールの日除けあきらめた

 府が昨年「子育て環境日本一を推進する」(西脇知事)ために新設した、保育園整備などへの補助金が、予算不足を理由に一部施設には不支給となることが判明し、施設運営者から怒りの声が上がっています。日本共産党府議団は、希望する全施設に補助金を支給するよう予算拡充を求めています。

 同制度は、「保育等子育ち環境充実事業費」で、予算額は1億円。民営の保育園や認定こども園、児童養護施設を対象に、保育の質の向上や安全対策の整備を行った場合、費用の2分の1、最大100万円を補助します。昨年10月末の締切までに183件、計1億4000万円超の申請があったため、予算枠内に抑えるために申請時にはなかった「1法人1施設」というルールを突如設け、対象事業を126件まで絞り込みました(制度の趣旨に合わない申請含む)。

 府は、17年度まで実施されてきた「民間社会福祉施設サービス向上補助金」(保育園や障害者施設などの定数に応じて補助金支給)を廃止しており、相次ぐ制度改悪に批判の声が広がっています。

 京都市内のある保育園の園長は、「プールで遊ぶ子どもたちの日除けのための整備を行う予定でした。法人内の別の園が補助金を受けることになり、設置をあきらめた。サービス向上補助金もなくなり、園の運営が本当に大変です」と嘆きます。

 また別の京都市内の保育園では、園庭の整備費用などに約120万円をかけ、60万円の補助を申請しましたが、法人内の別の施設が利用したために補助金を受けられませんでした。同園の園長は「当初の説明では『1法人1施設』という説明はまったくなかった。業者への相見積もり発注や、整備の目的などの申請書作成など、大変な事務量です。なんとか府の予算を拡充して、補助を受けられるようにしてほしい」と話します。

「予算拡充を」共産党が追及

 日本共産党の浜田良之議員は、府議会2月定例会の代表質問でこの問題を取り上げ、補助金を受けられない施設運営者の声を示しながら、「全ての保育園の応募にこたえられるように予算を拡充すべき」と追及。知事は、「大規模法人に支援が偏ることなく、小規模法人への機会均等をはかり、予算の枠内で採択することとしている」などと答弁。浜田議員は、「サービス向上補助金」を廃止した問題に触れながら「府の制度が後退しているのではないか。予算を拡充すべきだ」と改めて求めました。