「ともに生きる ともに創る 夢ある未来へ 京都から」―きょうされん(障害のある人たちの仕事や暮らしを応援する事業所の全国組織)の第41回全国大会が9月、京都で開催されます。障害のある、なしにかかわらず、だれもが安心して暮らせる社会はみんなの願い。障害者の自立や就労を支援する事業の一環として、コミュニティーの拠点になる「カフェ」が増えています。今回は、きょうされん京都支部の加盟事業所のなかから4店舗を紹介します。それぞれに個性あふれる「カフェ」に出かけてみませんか?

 綾部市の綾部福祉会が運営するワークショップサクラティエと「絵本カフェchouchouサクラティエ」では、障害のある仲間22人が職員とともに、接客や菓子作りに励んでいます。5月3日にはカフェの開店2周年を迎えます。

 カフェのコンセプトは「地域住民に気軽に来てもらえる場所」です。特に、子育てママなど、「小さな子どもがいて、外出しづらい人がゆったり過ごせる場所」を目指しました。

 店内には市民らから寄付された絵本700冊が並び、絵本を読みながら過ごせる座敷スペースや授乳室も置かれています。

絵本の題名がメニュー名に

 メニューも、「あおむしのはらぺこパスタ(800円)」「そうべえさんのじごくカレー(750円)」など絵本のタイトルをアレンジした名前にしました。他にもワークショップで作るバウムクーヘンやドーナツなどの手作り洋菓子も人気です。

 料理や菓子作りには仲間の「強み」が生かされています。大槻真理子施設長は、「利用者の仲間はできたことに喜びと自信を持って誠実に忠実に繰り返すことができる。ここで出す物は仲間の『できた』という喜びにあふれています」と語ります。

 カフェで接客を担当する吉崎徹さん(29)は、「仕事は楽しいこともある。次はアイスクリームをうまくコーンに入れられるようになりたい」と意欲的です。

菓子作りで地域と連携

 菓子作りを通した地域との連携も進んでいます。綾部高校が全国出荷量の7割を占める「鹿ケ谷かぼちゃ」を材料にしたクッキーを製造。他にも地元食材を生かした菓子作りの計画が進行中です。大槻さんは「仲間の仕事を通じて、地域の魅力発信につながり嬉しい。これからも地域の中で仲間がやりがいをもって働ける場にしていきたい」と話しています。

 5月3日から6日は2周年フェアを開催。特別メニューとしてスープカレーセット、ハンバーグセット、スイーツプレート(各1000円)などを用意しています。

 【店舗情報】 綾部市青野町西青野18☎0773・43・3366。営業時間10時~16時。定休日=毎週火曜、第2・4水曜。

(写真上=カフェで働く利用者の仲間と職員、写真下=2周年フェアメニューのスープカレーセット)

(「週刊京都民報」4月22日付より)