「ともに生きる ともに創る 夢ある未来へ 京都から」―きょうされん(障害のある人たちの仕事や暮らしを応援する事業所の全国組織)の第41回全国大会が9月、京都で開催されます。障害のある、なしにかかわらず、だれもが安心して暮らせる社会はみんなの願い。障害者の自立や就労を支援する事業の一環として、コミュニティーの拠点になる「カフェ」が増えています。今回は、きょうされん京都支部の加盟事業所のなかから4店舗を紹介します。それぞれに個性あふれる「カフェ」に出かけてみませんか?

 社会福祉法人「まいづる福祉会」が運営する3店舗目のカフェで昨年11月にオープンしました。国道27号線沿で、JR真倉駅から徒歩5分のログハウス。同福祉会ではこれまで、フレンチレストラン「ほのぼの屋」、おしゃれなデザートカフェ「BONO」を展開。今回は重度障害者も働ける職場として、仲間たちが奮闘しています。

人数や体調で仕事を選べる

 働いているのは、10代~50代までの重度を含む障害者20人と9人の職員です。カフェの接客、まいづる作業所への弁当の配達、アトリエで織物や絵を描く仕事を、その日の人数や体調で選べる仕組みになっています。

 カフェで働く淡路みのりさん(21)は、「接客が大好き。すごく毎日が楽しい」と満面の笑顔。トレイに載せたコーヒーがこぼれないよう、家で練習しています。入店者を真っ先に見つけてあいさつするのは、久留ゆかりさん(45)。スプーンなどの入ったカトラリーセットを運びます。

 メニューは、名物カラアゲ定食600円、日替わり定食(同)、カレー500円、コーヒー200円、本日のデザート300円など。月に1度、「びっくりメニュー」として特大カツカレーを30分以内に食べたら無料になる企画も始めました。

 カフェに併設したアトリエでは、織物を織ったり、絵を描いています。田原道夫さん(54)が書いた仲間の絵はタンブラーに、さをり織りはテーブルマットとして、カフェで販売しています。田原さんは「ここで働く仲間の絵を見てもらいたい」と言います。

地元の農家と〝旬菜いちば〟も

 出店の際、地元の真倉地域とつながりを作りたいと始めたのが、「真倉農家直送 旬菜いちば」。農家が持ってきた採れたて野菜をカフェの前に並べて販売しています。

 主任の森野孝弘さん(36)は「支援学校の生徒や教師の中で、重度の障害があっても働けるということが希望になっています。いろんな働く場面を作ることで、経営に貢献できているという励みになると思う」と話しています。

 【店舗情報】 舞鶴市字真倉小字四十田319─12☎・0773・60・6279。営業時間11時~14時。定休日=日祝、第2・4・5土曜。

(写真上=笑顔で接客する淡路さん〈手前〉と久留さん、写真下=店内で販売されているタンブラーやさをり織りのテーブルマット)

(「週刊京都民報」4月22日付より)