「20人分集まるまでは戻らんで」――「鷹峯9条の会」(京都市北区)では目標を1300人に定め、10町内をくまなく回っています。

 「鷹峯9条の会」は11年前に発足しましたが、近年は開店休業状態でした。昨年9月、3000万署名の提起とともに活動を再開。13人の会員が、毎週1、2回、複数で訪問し、署名を集めています。現在264人分。「あと正味3カ月。これでは達成できん」と知恵を出し合い、足を踏み出しています。

 同会事務局長の岸本正美さん(69)は生まれも育ちも鷹峯。同級生や知り合いはひと通り回りました。絵画サークルの新年会で初めて呼び掛けたのは中村久蔵さん(82)。「断った人には京都民報の著名人の談話をコピーして渡しています」。栗坂克生さん(68)宅を拠点に、署名に応じた人を書き出し、地図に落とし、町内ごとに留守や断られたところをメモ。断られた家には、会のニュースや改憲の危険性を訴えた新聞コピーを配布。時間をおいて訪ねます。留守宅には、署名用紙と呼び掛け文を入れた封筒を投函し、後で回収に回ります。

■マンションにも署名配布を模索

 毎週、きめ細かく回る中で、入院や出産、転入居などの情報も入り、対話も弾むようになりました。一度お願いした人にも、さらに広げてほしいと足を運びます。同地域にある自動車学校の労働組合にも協力をお願いする予定です。増えてきたマンション住民に対しては、つてを頼り、署名用紙を配布してもらえないか、知恵を巡らせます。

 栗坂さんは「しぶとく食らいつかなあかん。憲法を変えられたら戦争への道。住民の過半数に〝改憲には反対や〟と意思表示してもらわなあかん」と固い決意で臨みます。